株式会社クリフ

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第8回研修報告 ふくしま農商工連携マーケター養成

2011年8月27日

商品管理・マーケッティング
「需要予測からの実践ビジネスプラン構築 販路開拓①」
講師:結城一成氏
10:30~12:00
農 商工連携によるビジネスプラン作成から商品を開発するまでの流れを、実例を上げながら説明。商品開発においては、顧客ターゲットを絞り込み明確に設定する ことにより、効率的に需要予測するための手掛かりがつかみやすくなる。ターゲット市場で求められているもの(ニーズ)のほか、消費者が欲するもの(ウォン ツ)を知ることは、商品を開発する上ではもちろん、後の即戦的販路開拓に必須。またターゲットの市場規模は、オープンデータを用いて、経費をかけずに具体 的な数値によって知ることが可能である。
事業の実施計画を立てるに当たり、合意書等を交わし連携企業間の役割を明確にしておくことは、後のトラブ ル回避に有効。事業の具体的なスケジュールは、ガントチャートなどで視覚化し、明確にイメージしておくべきである。また、連携事業団体全体のものだけでな く、それに関わる事業者ごとの事業計画、資金計画も必要。市場を正しく知った上で、各連携企業がどんな経営資源を持ち寄るか、それをどのように活用するか といった事業スキームづくりが、農商工連携のポイントとなる。

商品管理・マーケッティング
「需要予測からの実践ビジネスプラン構築 販路開拓②」
講師:結城一成氏
13:00~14:30
開 発した商品のアプローチ(PR)は、インターネット、催事への出店など数多くあるが、もっとも得意とするところから取り掛かるのが良い。販路開拓にする上 で最大の武器となるものは商品(試作品)である。言葉だけの説明や平面の商品イメージよりも、顧客にとって分かりやすく、興味を喚起しやすい。加えて、商 品の概要・写真・特徴および製造工程や、企業情報・実績等を表記した「商品提案シート」の活用も、顧客がそのディテールを視覚的に把握するのに有効。さら に、プライスリスト、諸経費を明記した見積書、支払サイクルなどの取引条件を明示しておけば、スムーズな取引開始、後のトラブルの防止に役立つ。

IT化への対応「ITへの挑戦」 
講師:石山城氏
14:40~16:10
インフォメーションテクノロジーは、情報の流れを変化させると ともに、多くの他人との情報共有・共感を可能にした。ITによって生まれた情報共有ツールはさまざまだが、その多くは無料で容易に使えるのが特長である。 たとえばtwitterはわずかな文字数の情報に対し、不特定多数の「共感」者(follower)が反応を示すことで、両者の間につながりが生まれる。 そして双方がやり取りを重ねることにより、強いつながりを形成することもある。Followerの数は、その情報元に対する評価の高さを表し、エビデンス そのものにもなる。また、twitter上で誰と何度やり取りをしたかの履歴は、顧客リストとしての活用も可能である。また、ブログはFacebookお よびtwitterとの連動も可能。どのツールを用い、どう活用するかは、情報発信者が決定しなければならない。これらのツールをマーケティングに活用す るならば、ターゲットを定め、何をどのように売り、どう反応してほしいのかを明確にする必要がある(4P:place, price, product, promotion)。そして、情報を発信するものとしてのルール、責任を忘れてはならない。

第7回研修報告 ふくしま農商工連携マーケター養成

2011年8月6日

商品化ナビゲーション「農商工連携と商材・商流開発」
講師:有限会社餡のおおすか代表取締役 佐瀬順氏
10時30分~12時00分
自 社の農商工連携認定を取得するまでの流れから、地方都市に必要な本当の六次化、商品開発プロセス・商流(販売チャネル)確保プロセスなどを説明。認定事業 に応募する目的を明確化、具体化し、モチベーションを保つことが大切。また、商品開発にあたって安心・安全性、限定生産性、食品機能性(アンチエイジン グ)などにこだわること。アイデア創出の手法として、ペアブレストなど様々なワークショップを用いることも有効である。

ブランド戦略「農産物のブランド化における戦略構築」
講師:国立大学法人福島大学経済経営学類教授 西川和明氏
13時00分~14時30分
資 源アプローチによるブランド化について。「ハード(物的資源)」から「ハード+ソフト(VRIO[ブリオ]価値)」へ、VRIO(ブリオ)価値を追求する ことがブランド化への道である。VRIOとは、Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Imitatility(模倣可能性)、 Organization(組織)。また、資源アプローチの手法は、①地域資源、②ビジョン、③展開戦略(VRIOなど)、④ブランドの順となる。資源の 活かし方にはSWOT分析が有効。企業の内的能力の強みと弱み(Strength&Weakness)、企業を取り巻く外的可能性の機会と脅威 (Opportunity&Threat)をフィットさせて戦略を形成する。また、ニッチ市場の確保には3C分析(Customer[市 場]→Competitor[競合]→Company[自社])が役立つ。

商品開発につなげるマーケッティング「農業におけるマーケッティング」
講師:社団法人食品需給研究センター調査研究部
主任研究員食料産業クラスターチームリーダー 長谷川潤一氏
14時50分~16時20分
東 北地方太平洋沖地震・原発事故による農水産物の被害に始まり、食生活の変化、世界的な経済不況など、我が国の食を取り巻く課題は数えきれないほどあふれて いる。その中で農商工連携が必要な理由として、フードチェーンにおける連携の取り組み(アグリビジネス・6次産業化、イノベーション・産学官連携、農商工 連携、食料産業クラスター)が挙げられる。活動を推進する要素は人、もの・こと、金、戦略。「美味しい」よりも、「売れるかどうか」をバイヤーは見てい る。マーケッティングは発想力や企画力など、これからに向けた活動。農商工連携を通してこれから福島県で何ができるかを考えること。

第6回研修報告 ふくしま農商工連携マーケター養成

2011年7月16日

[JA新ふくしまの概況について]
講師:石渡和良氏
[JA新ふくしま]、福島市・川俣町の概要、管内の農業などを説明。農産物直売所の概況(1.遊休農地の有効活用、2.農家女性の社会参加、3.高齢者の 生きがいづくり)、運営組織、遠隔・事業経過など。また、今後の方向性として、年間を通じた計画的な地産地消型の販売強化、端境期の品揃えに向けた施設利 用及び長期出荷作物の振興、「安全・安心」な農産物販売体制の構築などを行い、農産物直売所のこれからの取り組みである「目指すもの」を明確化させ、さら なる発展を目指す。

視察研修(ファーマーズマーケット『はたけんぼ』)
年間売上高約12億円(2008年度)で東北1位の農産物直​売所「はたけんぼ」を視察。店内全体のレイアウト、商品それぞれの種類や数量、各商品の売れ行きなどを調査。商品の試食、購入などを行い、消費者目線でのスタッフの対応などを考察した。

 

自然食レストラン『銀河のほとり』について
講師:有馬克子氏
有機農産物を使った自然食へのこだわりについて説明。大豆のハンバーグと穀物ソース、黒米と黒豆と野菜たちのトマトソース、大豆と小豆と玄米の炭焼きコーヒーなど、自然と身体の健康を考えた料理ばかり。アイディアの元は、その日の食材とひらめきであり、ソースや付け合せの組み合わせによって食材の旬の味を最大限に引き出している。そのほか、震災後から今日までの飲食店として地域の方々のために行ってきたこと、飲食店としてできることなど。

第5回研修報告 ふくしま農商工連携マーケター養成

2011年7月2日

[農山漁村の6次産業化について]
講師:三瓶宣弘氏
農山漁村の6次産業化の考え方について。六次産業化法の概要、6次産業化の想定事例と支援策、総合化事業計画の認定を受けた場合のメリットなど。六次産業化法の事業計画の認定までのフローを具体例とともに説明。また、6次産業創出の総合対策として農業主導タイプ、地産地消タイプ、農商工連携タイプの3つのタイプを示し、どのような取組支援があるかを紹介した。

[基調講演“風評被害”の克服~公害都市から環境都市~]
講師:吉本哲郎氏
1953年、貝・魚・鳥・猫・人などに異変が起きはじめ、1956年の水俣病公式確認から今日にいたるまでの市民と企業との経緯を説明。日本の高度経済成長を支えたチッソの存在、「水俣市」のブランドへの風評被害、それに対する実害対策や市民意識など。人が元気で、海、川、山が支え合うという「地域」が元気で、貨幣経済と共同する経済、自給自足の経済という三つの経済が元気な町や村づくりが大切。人は感動で動く、理論よりも40点/100点でもいいから、まず行動すること。ないものねだりの『愚痴』を、あるもの探しという『自治』に。

パネルディスカッションコーディネーター:西川和明氏 パネリスト:吉本哲郎氏、望月孝氏、結城一成氏
テーマは「住民が自分たちの問題と考えて行動する」。基調講演の内容を踏まえ、これからの福島が目指す環境都市、農商工連携に対し、4人それぞれの意見と参加者からの質疑応答。農商工連携の成功の秘訣は、想いの共有化、地域を活性化させる若者・バカ者・よそ者、地域の人が諦めずに続けることなど。また住んでみたい、買いたい、行きたいと思わせる仕組みこそブランド化であり、そこには人柄や物語作りが重要となる。
これからの福島については我々大人一人ひとりが考え、動くこと。この状況の中で最も問われているのは私たち自身である。

案内 → 特別公開フォーラム

第4回研修報告 ふくしま農商工連携マーケター養成

2011年6月18日

[食材の想いが商品開発に繋がり絆が生まれる]
講師:山際 博美氏

10:30~12:00
「ヴィライナワシロ」調理顧問を務める山際氏より、これまでに行った食品開発について説明、和洋食問わずジャンルを超えた料理、温故知新を大切にするこ と、ネーミングやターゲットのポイント、今後の商品開発において重点を置くべきことはどんなことなのかについて講義を頂きました。
「心のみだれは食のみだれ」であり、食材が我々の食卓に上がるまで、多くの人の手が加わっていることを忘れず、その恵みに対して感謝の気持ちを持っていただくことが重要だと話されました。

視察研修 古民家レストラン『独銛』
講師:独銛 照子氏 山際 博美氏
13:30~15:00
敷地600坪、築150年以上の歴史を持つ古い家屋をレストランに改築した理由、経緯、今後の展望について当主から説明がありました。
「食はいのちの源」をテーマに、有機野菜と自然薯へのこだわり、古民家の特徴、地域の方々へ喜んで利用していただけるおもてなしなども話されました。震災による風評被害の影響はあるものの、自分たちの志を高く持ち、このレストランに来ていただいた方が夢や癒しを見つけられる場所になれればと日々、奮闘されている話をされました。

視察研修(『まんまーじゃ』)
15:30~16:00
JAあいづが経営する、「食」に関する様々な情報を提供しながら、皆さまと生産者との架け橋になるコミュニティ「まんまーじゃ」を視察しました。

会津産の生産物から加工物まで幅広く取り扱っており、敷地内で様々なイベントを企画、開催されていることを話されました。店内では実際に商品を手に取り、価格やパッケージ、売れ行きなどを考察してきました。

 

[ヴィライナワシロ」ハウスツアー]
講師:山際 博美氏
「ヴィライナワシロ」内のオープンキッチンを見学、新商品を開発し、消費者に安全・安心に食していただく上で注意すべき調理のポイントは?
真空包装だけでなく、食材に合わせた適切な熱処理を加えることや、風味を逃がさないための瞬間冷凍保存などを話されました。
大型の調理機材を導入することで人件費や時間を大幅に削減でき、積極的に機材を活用することで商品開発のコストを抑えることができる。

山際氏と意見交換会
18:30~20:00 

 

 

 

 

2011年6月19日
分科会「実地研修を終えて」
講師:西川和明氏
9:30~10:00

第3回研修報告 ふくしま農商工連携マーケター養成

2011年6月4日

中小企業経営①
[業資源活用による起業の事例]
講師:西川和明氏
10:30~12:00

6次化産業を行うにあたって大切なキーワードは「人の地産地消」と「農林水産物の連携」であること、東北には人的資源、農産資源、観光資源など、探せば数多く存在する。地域に対する自信と誇りを持って活用することが大切であると講義されました。
6次化産業の新規参入にあたり、「ポジショニング的な考え方」と「資源活用的な考え方」を合わせた経営戦略的に考えることが重要な鍵となる。
例としてハンバーガー市場を用いて説明されました。
競合企業・買い手の脅威を想定し、いかにして市場を確保できるかを考えることが重要だと講義されました。
※講義資料 → 農業資源活用による起業の事例

※ 昼食中に「1分スピーチ」が行なわれました。
中小企業経営②
[域産業6次化と財務管理]
講師:菅野寛氏
13:30~15:00

財務管理の意義と目的、体系、課題などについて。地域産業の6次化は生産、加工、販売・サービスの一体的な取り組みであり、農・商・工業の簿記の違いを念頭に置いた財務管理が必要であり重要。
財務分析についての理解を深め、財務諸表、財務分析の手法、比率分析などをはじめとした分析の考え方を講義されました。財務分析は企業の現状を知る手がかりであるので「利益の源泉」「リスクの把握」というマクロ的な視点に立ち、企業の将来の経営状態を予測する必要があると講義されました。
※講義資料 → 地域産業の6次化と財務管理

食関連の法制度「食品衛生法、JAS法」
講師:伊藤伸史氏
15:20~16:50

適正な表示への取り組み、コンプライアンス体制の整備について、飲食店営業、菓子製造業、めん類製造業など、それぞれの加工食品に必要な営業許可はどのようなものがあるかなどを説明されました。食品の表示を所管する法律は、「商品衛生法」「JAS法」「景品表示法」などが挙げられ、各食品に表示しなければならない項目、その他の表示基準が定められた食品などがあることを話されました。
消費期限・賞味期限の違い、表示違反にみられるミスなどを実際の事例に基づき、なぜそのようなことが起こるか、どうすれば対策を立てられるかなどを講義いただきました。
※講義資料 → 食品衛生法、JAS法

毎回多くの出席、誠にありがとうございます。
この研修も3回目を向かえ、次回は6月18日~19日1泊2日のヴィライナワシロでの実地研修です。
今後ともよろしくお願いいたします。

第2回研修報告 ふくしま農商工連携マーケター養成

[農業資源活用による地域活性化]
講師:小山 良太 氏
10:30 ~12:00
地 域づくりの目的や地域経済について。今回の震災から復興を図るにはまず地域に根差した生活・文化を守ることが大切。地域経済循環を拡大するためには何を必 要とするか。また、「サイゼリア」や「モスバーガー」「ビックリドンキー」などの大手外食産業の6次産業化と農商工連携のモデルケースを紹介。何を想定し て農商工連携を行うかの重要性などを講義していただきました。
※講義資料:地域ブランドクリエーター
(昼食時間を利用しての意見交換会の様子)

[サポーターのためのコミュニケーションスキル(1)(2)]
講師:白石 豊 氏
13:30~15:00・15:20~16:50
対人コミュニケーションスキルについて。これまでにコーチをしたアスリートたちとの経験を踏まえた人と向き合う際の心構え、態度など。先入観で人を見ず、できるだけあるがままに見ること。
「自分はだめなやつだ」などの無意識の思い込みが自分の可能性を狭めている。主観的に見ると感情が理性を上回るので、自分を客観的に見ることができるかどうかが、発想を転換することが大切である。
ビ ジネスコーチングについて。コーチング、NLP、ティーチングの違いや、コーチングをどのようにビジネスで生かせるかを6つのポイント(環境、行動、能 力、信念と価値観、自己認識、スピリチュアル)に分けて説明。ワークショップ形式で実際に歩きながら6つのポイントを実践、自己認識を高める。
サポーターとしてのコミュニケーションスキル(聴く、質問する、褒める、提案する)、ノンヴァーバル・コミュニケーションスキルについて講義していただきました。
※講義資料:サポーターのためのコミュニケーションスキル

第1回研修報告 ふくしま農商工連携マーケター養成

ふくしま農商工連携マーケター養成研修が始まりました。
参加者の皆様、研修および懇親会への参加ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

オリエンテーション
① 本研修についての説明と諸連絡  石山 純恵
本研修の実施スケジュールについての説明。震災によ る日程変更はなし、予定通り毎月第1・3の土曜日に研修を実施。会場はAOZ(アオウゼ)・コラッセふくしまを使用予定。事務局と受講生との連絡として、 FAXまたはEメールを徹底。実施研修の注意点、震災発生時の対応など。

② 本研修の目的とねらい
[震災による農商工連携の影響と本事業の意義] 西川 和明 氏
震災による農商工連携の現状として、農作 物や工業製品などの風評被害が非常に大きい。全国から商品の出荷停止の要望、取引の見直し・延期など様々な影響が出ている。今後、この現状をどのように打 破していくか、この研修を通じて一人ひとり、企業一社一社が真剣に取り組むこと。また、同じ志を持った受講生同士の結びつきを大切にして欲しい。

5月7日タイムスケジュール
重要事項説明

[需要把握からの実践ビジネスプラン]
講師:結城 一成 氏
地域の宝を生かした地域ブランドの創出による、魅力ある地域づくりを目指して、市場のニーズを把握し、どのようにして実際にビジネスプランを作成するか。
農商工連携の協働・協定については、複数社で農商工連携を行う際、お互いに協働・協定の規約を明確に決めること。お互いの役割や金銭面などを曖昧なままにせず進行させることが大切である。
テーマの決定については、農商工連携を行う際の軸となる部分をはっきりさせること。市場のニーズを把握し、何をテーマとして連携を行うか。
具体的な事業内容については、商品開発からマーケティング、販売企画、宣伝販売促進、販路開拓などが重要である。

[農商工連携の意義と役割、研修のねらい]
講師:望月 孝 氏
本研修をどのように実践していくか。成果や認定について。
東北地域の特徴、東北地域が全国に占める観光産業の割合や東北地域の農林水産業・食品産業の現状など。東北地域の課題としてはブランド化が重要。マーケッティングとブランディングがポイントとなることを、これまでの全国の成功事例を交えて紹介。
また、この研修のポイントは改革、実践、仲間づくりである。東北地域の優れた経営者に共通する学習意識などを紹介し、受講生の研修への意識を高めた。

望月講義資料