第13回研修報告 ふくしま農商工連携マーケター養成
2011年10月29日
ICTによる農業の3つの見える化(農業ナレッジマネジメントシステム)
講師:富士通株式会社 品質保証本部長 増田実夫氏
9:40~11:10
家業的性格が強く「経営」としての観点に欠けている現在の日本の農業の課題を、ICT(Information and Communication Technology)はどのように解決することができるのか、またその他のメリットについて解説。個人事業的農業では、生産から出荷までの一連の作業が十分に体系化されていない。特に、マーケティング・技術開発・人材育成・利益とコストの把握において脆弱であり、「栽培し、できたものを出荷する」という作業のみで完結してしまっている。現代の農業においては、「PDCA」を意識し、「消費者の欲するものを生産し、戦略的に売る」という企業的農営が必要である。
ICTでは、カメラ、気象・土壌センサー・携帯電話等からの情報を集め、作付けや人員、作業の工程・栽培状況、収穫量とコスト、売上などの詳細を一つのデータベースに一元管理することができる(クラウド)。これによって個人では把握しきれなかった、①生産、②顧客、③経営の見える化が実現し、ムダ・ムリ・ムラによる諸処の損失の回避、データ分析による計画的・戦略的・持続的な農業経営を可能にする。
道の駅ふくしま東和 あぶくま館内
「ゆうきの里の取り組み」
報道ステーションの道の駅の放送と独自のPRビデオを視聴した。
生まれた場所を守りたい、活性したいという思いから「ゆうきの里東和」を設立。ゆうきの里結成から現在までの取り組みと状況について話をされた。
地元の農家230名の会員で組織されるNPO法人では、土壌改良し生産された野菜や食品残渣を利用した独自有機肥料を開発した。その有機肥料を使用した土壌で生産された野菜を独自ブランド「とうわ元気野菜」となずけた。加工品として東和特産の桑を加工したジェラート、アイスクリーム、茶(粉)などを生産、販売を行い、雇用も創出(従業委員は24名)。平成21年総務大臣賞受賞した。また震災からの風評被害等に対する対策案も話された。